無題
道いっぱいに敷き詰められた落葉を踏みしめる毎に蘇る思い出がある。
今年もまた一人でこの季節を迎え、この場所に立つことになろうとは。
背中の家紋をはためかせる冷たい風に少しだけ切なくなって、サスケは舌打ちをした。
早く早くと気持ちだけが先行する。
今のままでは復讐なんて到底無理なのに。
力が足りない。力が欲しい。
イタチを倒せるだけの力。
「今日は修行につきあってくれるって言っただろ!?」
「悪いな。急用が入ったんだ」
「……うそつき」
「任務より私用を優先させる訳にはいかない。そんなことも解らないお前ではないだろう?」
「行かないでよ」
「サスケ。離せ」
「イヤだ!行かないで!」
「こんなことで泣くな」
「……」
「帰ってきたら一緒に、」
「兄さんのばか……」
「よし、いい子だ」
終
INFO:2005/11/13(15:37)イタサス 書きかけです。
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